- SNSで「動画編集は稼げない」と言われているのを見た
- 知人や友人から「稼げないからやめとけ」と言われた
- 既に動画編集を始めているが、全然収入につながらない…
などで、
「動画編集を始めるべきかどうか」、または「動画編集を続けるべきかどうか」
こうした点で悩んでいる方も少なくないのではないでしょうか。

そこで本記事では、クラウドワークスに掲載されている案件も実際に確認しながら、
・単価の割合
・作業時間の目安
・月5万円に到達する現実的なハードル
といった観点から、
「動画編集は稼げない」と言われる理由をできるだけ具体的に検証しました。

最初にお伝えしておくと、この記事は「動画編集はやめたほうがいい」と結論づけるためのものではありません。
「本当に自分だけが稼げないのか」
「自分でも稼げるようになる可能性はあるのか」
こうした不安を抱えたまま読み進めるのは、とてもつらいと思います。
この記事では、数字と現場のリアルな事実をもとに、
感情に流されない現実判断のための材料をお渡しします。
- 動画編集は稼げないと言われる理由
- 副業で月5万円を目指す際の現実的なハードル
- どんな人が動画編集に向いているのか
よくある「月5万円は簡単」という理屈

ぶっちゃけ、副業の場合、月5万円を安定して稼ぐのもかなりハードルが高いのが現状です。
しかし、「動画編集 副業 稼げない」などで検索すると、「動画編集で稼ぐのは楽ではないけど、副業であれば月5万円程度は十分現実的だ」といった趣旨の記事を多く見ます。
その根拠を見ると、
- 10分尺の編集時間は、平均して10時間程度
- 1本1万円で受注できれば、月に5本編集できれば月収5万円
といった理論です。
ここで、一度立ち止まって考えてほしいポイントが2つあります。
1つ目は、「単価1万円の仕事を安定して受注する難易度」です。
2つ目は、「10分尺の編集に10時間かかる」という前提が、”誰を基準にした話なのか”という点です。
キウイくんこの2つを冷静に見ていくと、「動画編集で月5万円を稼ぐ」という目標が、どれくらい難しいかが分かってくるよ!

ここからは少し現実的な話になります。
1万円の仕事を受注するまでのハードルを、「営業活動のハードル」「競合比較(相場や編集者の数など)」「作業時間イメージ」という3つの観点から検証していきたいと思います。
読む中で、「思っていたより厳しいな」と感じる部分もあるかもしれませんが、動画編集で結果を出すには、スキル以上に“この構造を理解して戦略を立てられるか”が大切です。
現実を知っておくことで戦い方が変わるので、多くの記事で「共有されていない前提」をを知り、ご自身の判断にお役立ていただければ幸いです。
営業活動のハードル:仕事は待っていても来ない

意外と見落とされがちですが、仕事を受注するには、よほどのコネがない限り、営業活動をしないといけません。
そして、営業活動をするためには「ポートフォリオ」が必要になります。
このポートフォリオの出来が悪いと、そもそも仕事を受注することが難しくなります。
これが独学だと挫折しやすく、多くの方がスクールや講座の必要性を感じる理由の一つです。
そして、ポートフォリオが完成しても、ひたすらメール営業などが必要になります。
プロに添削をしてもらったポートフォリオを使用する場合、初心者向けの単価の低いものやクラウドワークスといったプラットフォームを使った営業であれば、10件程度の営業でも案件の受注は可能かもしれません。
しかし、これが単価1万円になると、100件送って1〜2件でも”返信”があれば良いほうです。
しかも、これはあくまでも「返信」であって、契約につながるかどうかは分からないのです。
キウイくんちなみにメールを100件送るって、この100件の送り先はどうやって決めれば良いの…?
このように、営業活動のために必要な時間と労力も考えておく必要があります。
ちなみに、僕が編集者として駆け出しの頃は、メールを500件以上送り、契約に繋がったのは5件。
ただし、最初の150通は3通返信があっただけで契約に繋がったのは1件のみ。
最初の150通の反応を見ながらブラッシュアップを重ねたため、残りは350通で4件の契約とはなりましたが、目安としては、やはり100件以上の営業が必要だと思っていただくのがいいと思います。
このような営業という工程が想像以上に重たいことを、事前に知らされていない人がほとんどです。
動画編集で収入を得たいと思っているなら、「編集ソフトの使い方を覚える=動画編集」という考え方は捨ててください!
戦略的営業やクライアントワークなどにもしっかり取り組めるかどうかが、成功の分かれ目となります!

あくまでもこの仕事の構造を理解するための話で、営業ができないからといって、ご自身の能力を否定する必要まではないよ!
クラウドワークスにおける「1万円案件」の調査と考察

試しに、初心者が案件を獲得する入り口となりやすいクラウドワークスで、「動画編集」で単価1万円超えの案件の数を分析してみました。
全部で50,984件と表示されたので、さすがに全ては目を通すことができなかったのですが、金額の高い順に並べて最初の150件を確認して感じたことをまとめます。(2025年12月時点)
- 動画尺が「素材尺」なのか「完成尺」なのかを曖昧にしており、不誠実な印象の案件が多い
- 単価で1万円超えの案件は、150件中10件(まともな案件という印象を受けたのはうち3件のみ。詳細はの下記)
- レンジとしては1本あたり5,000円前後が多い印象
まず感じたのは「動画尺」という言葉を使い、作業時間の計算をしづらくさせている不誠実な案件が非常に多いなということです。
一見すると、単価1万超えに見えても、完成尺が10分であり(素材尺は1時間超えなど)、編集をしてみると、60時間くらいかかる内容である、といった可能性もあります。
これでは、たとえ単価が1万円を超えていても、時給単価は低く、5本納品して5万円も非現実的です。
また、10件のうち5件は「素材尺が40分超えで1万円」「著作権的にアウトなのかセーフなのかか分からない”素材探し”が編集者側の作業として含まれている」など、なかなか香ばしい感じでした。
さらに2件は「撮影できる人」「通える人」などの条件が限られており、個人的に「まとも」と言えるものは3件のみという結果でした。

まともだと感じた案件に関しては、素材尺が60分、編集後のイメージが10分程度、単価は1本7万円で、素材尺が長くなった場合は要相談など、仕事内容の定義も明確で、内容相応の単価設定をしてくれているイメージでした。

ただ、アウトソーシングサイトの場合、ここから20%前後のシステム手数料が引かれます…
ざっくりとした計算にはなりますが、
- 最初の150件で1万円超えは10件のみ(6%)
- 1200件目あたりでは1万円超えの表示がなくなっている
- 金額順なので、ページが進むにつれ単価は下がる
これを踏まえると、多く見積もっても、単価1万円超えの案件は全体で60件程度(怪しいものも含めて)なのではないかと思います。
キウイくんこれを全体の50,984件で割ると、60÷50,984=0.00117….。
純粋な編集で1万円超えの案件は、クラウドワークス上では全体の0.1%ほどしかないことになります。
1万円以上の単価で仕事を請けたいと思ったら、クラウドワークスなどで仕事を探すのではなく、利益率の高い営業先を探すこともポイントになります。
逆を言えば、この構造をしっかり知っておくだけでも、挫折の確率は多いく下がると思います。
「10分尺を10時間で編集」は本当に可能なのか?

結論、これは可能だとは思います。
ただし、実現するには「モニター」や「多機能マウス」「サブスクリプション系の素材サイト」「AIの活用ができる」などが必要になってくると思います。
参考までに、以前僕が素材尺13分の動画を編集したときにかかった時間をお伝えすると、およそ6.5時間でした。
動画編集歴は約5年。
タイピングはかなり早いほうだと思いますが、AIを使わなければ+2〜3時間はかかると思います。
このスピードは、動画編集を始めて2〜3ヶ月で到達するのは、正直かなり難しいです。
素材尺10分の動画を10時間で編集できるようになるのに、半年くらいは見積もっておいたほうがいいと思います。
そして、編集時間を短縮するための投資をケチらないこともポイントになります。
もう一つ、見落とされがちなポイント

もう一点、月5万円を達成する上で知っておいてほしいことがあります。
それは、「素材の安定供給を確立するのが難しいこと」です。
動画編集は、素材がなければ編集ができません。
そして多くの場合、この素材はクライアントが撮影をしてくれないと提供されません。
しかし、動画編集を外注するレベルのクライアントは、ご自身の事業などで忙しいのもまた事実。
この辺り、いかに安定供給してもらえる仕組みを確立しておくかもとても大事になります。
キウイくん月4〜5本を安定して提供してくれるクライアントは、
実はとても貴重だよ!
現実的な収入イメージ

僕自身も、編集のお仕事の受発注を行なっており、これまで、主婦さん、副業として仕事をされている方、フリーランスの方など様々な方に発注してきました。
ここから先はその実体験も踏まえたお話です。
僕自身、素材尺が10分を超えた素材については、基本的には単価1万円以上で発注します(テロップ不要の場合などの場合は、作業工数に応じて変動あり)。
それでも、やはり主婦さんや副業でやられている方は、平日2時間程度の作業で週に1本までという方が多いです。
編集経験があり、10時間前後の作業で終わる方でも、家事や本業がある中で週に2本の納品をするのはなかなか難しいというのが現状です。
つまり、
「1本あたり2〜3万円で案件を受注する(ディレクターなしで、自分でデザインなどを全部担保することが前提)」
「最低でも週に20時間以上確保して納品本数を増やす」
このどちらかができないと、動画編集の副業で月に5万円はなかなか難しいということになります。

副業の場合、月に3〜4万円というところが一番現実的なのではないかと思います。
まとめ:結局どんな人が続けるべきか?

これに関しては正解・不正解はないので、あくまでも僕個人の意見となりますが、
- 金額よりも、自宅で働けるフレキシブルさに魅力を感じる人
- 継続して努力できる人
- 短期視点ではなく、編集で身に付く知識(デザイン知識や視聴者目線で考えること)を色々なことに活かしていくという考え方ができる人
こういった人には、動画編集はおすすめの副業になります。
具体例を挙げると、
- 子どもと一緒にいる時間を大切にしたい主婦さん
- 動画編集という手段を通して「デザイン」や「マーケティング」をアウトプットしたい方
などです。
逆を言えば、
- 2〜3ヶ月後には月に5万円以上稼ぎたい人
- フリーランスとして独立するスキルが欲しい人
こういった方には、向いていないかもしれません。
- 2〜3ヶ月後には月に5万円以上稼ぎたい人
- フリーランスとして独立するスキル獲得が目的の人
動画編集の仕事で独立しようと思ったら、
編集ソフトの使い方だけでなく、「YouTube運用」や「撮影」「HP改善アドバイス」などの周辺業務と組み合わせて、単価を上げていかないと厳しいからです。
編集スキルで独立をしたいと思ったら、「編集」という分野に留まらず、「映像制作」ができる必要があると思います。
ここまでをまとめると、短期で大きく稼ぐのは簡単ではありません。
しかし、動画編集を通して得た確かなスキルや経験は将来の選択肢を大きく広げます。
あなたがどこに価値を置くかが、後悔しないためにもっとも大切なことだと思います。

